No.036
「パパ用息子マニュアル」
■子育てパートナーと発達障害のある子への理解と対応を共有する
お母さん(orお父さん)が子どもへの接し方のコツを掴んできたとしても、頼りにしたいパートナーや、祖父母、学校や塾・習い事の先生などの周りの大人が子どもを叱りっぱなしのままでいると、「せっかく自分がこんなに努力しているのに・・・。」なんて思ったことはありませんか?
…とはいえ、大人も子どもも「あなたのやり方は間違ってる!」なんて言われてしまうと、余計頑になってしまうかと思います。ここはうまくお願いして、上手に頼らせてもらえると、本当に心強い味方になってくれるはずです。
学校や習い事などの先生にもお願い上手になると、子どもの特性への理解が得られ、周囲の目が温かく変わってきます。
最近は当ページをイクメンらしきパパさん達も結構見て下さっているようなので(ありがとうございます!)、うちのパパの愚痴はほどほどにしておきますが・・・。
うちのパパはソフトなASD・ADHD傾向のある人なので、息子同様、私が子育てノウハウをお手本のように行動で見せても、体験から自発的に学んでくれる期待は薄いのです(しつこくやれば多少は真似してくれます)。
前回の「接し方map」も、パパも目にするところに貼っておきましたが、あんまり気づいてないような……。
なので、ある程度私が子どもへの接し方のコツを掴んできた段階で、それをルーズリーフにまとめて息子への接し方マニュアルを作って渡しました。
ポイントは、息子になにかを教える時と同じです。
・具体的に図を交えて分かりやすく書く
・肯定形で、できることを(具体的に台詞なども)伝える
・してほしい療育あそびなどは「メリット」を強調する
・否定しない。お願い口調
・・・など。
それに加えて、「学校の先生にもこうしてもらったところ、うまくいった」「病院の先生も◯◯するといいと言った」など、ちょっと"権威"をお借りして、具体的エピソードを加えたりしました。
最初のページは
「パパへ。いつも頑張ってくれていてありがとう。今のままで十分100点満点のパパですが、◯太郎の育児には少しコツがいるようなので、私が勉強して分かってきたことをまとめました。仕事もあって大変だと思うけど、出来る範囲でいいので、一緒に自信をつけさせてくれたら嬉しいです」
・・・というような、出だしで始まっています。
否定せずにお願い口調で書くと「仕方ねーな、ちょっとやってやるか。ニヤリ」って気持ちになってくれそうなカンジがしませんか?笑
ただ、当初は「これ、すごく分かりやすい!」と感動してくれたパパですが、渡して一年もたつとほぼ忘れています。マニュアルを追加したり、何か継続的な取組みができるような秘策を思案中です。
それでも、以前絶対にやめて欲しかった「寝る前に怒る」ことだけは、極力避けてくれてるし(たまにありますが・・・)、私の取り組みに「甘やかしている」などの批判はしなくなりました。
100%こちらの願望通りにやってほしいという期待は最初からしてなかったので(汗)、多少の理解が得られただけでも、作った収穫はありましたよ。
こういった、マニュアルや自分トリセツワークは、いずれ本人が自分でやっていけるように、徐々に移していければと思っています(それが、今後以降投稿予定の「SST」にも関連しています)
関連著書:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」 大場美鈴・著(ポプラ社/2017.2)p.322収録 →Amazonで見る