No.037
「連絡帳」
■担任の先生に発達障害対応をお願いする時の連絡帳の伝え方の例(通常学級の場合)
いつも「通常学級の先生にどこまでお願いしてよいものやら・・・」と私も迷いながらやっていることなので、「これが正解!」とは言い切れませんが……(むしろ、現役・元を問わず、Facebookページをご覧になっている学校や幼稚園保育園、塾などの先生がいらっしゃったら、「どんな伝え方が一番対応しやすいか」という点のご意見を伺えるとありがたいです。)
(※【2023.10追記】コロナ後の学校連絡について)
ただ、保護者としては結構知りたい情報だと思うので、私の例を出してみますね。(あんまり他人の連絡帳など、見る機会もないと思うので…)
長男が小学校一年生でトラブル続出していた頃は毎日のように先生からお電話を頂いたり、連絡帳でもやりとりして大変でした。発達障害が分かってからは私も「対応をお願いしたい」と思いつつも、息子を分かってほしい、という「想い」が強く出てしまい、ついつい文章が長くなって、お忙しい担任の先生にはご負担をおかけしてしまったかも、という反省があります。
二年生の担任はベテランの男の先生ということもあって、要点を絞って具体的に伝えるようにしたところ、だんだんいいカタチになってきました。
心がけているのは、
感謝を伝える
具体的に子どもが困っている「行動・作業」を書く
家庭での具体的な対応を書く
丁寧にお願いする
…です。
写真左は「細かい字を書くのが苦手なので、青ペンで宿題はサポートさせて下さい」と伝えたところ、学校でも補助の先生(加配教員)などが下書きしてくれるようになりました。
写真右は運動会前で負荷がかかっていた時に、登校時に戻ってきたり、途中でしゃがみこんでしまったりが続いたので、長男と決めた約束を具体的に箇条書きで報告して共有。「これでもトラブルが続くようなら、再度ご相談させて下さい」と結びました(この時はこれで解決)。
何か問題があった時に、「気をつけます」「注意しておきます」だけでは双方前進しないので、「◯◯と声をかけてみます」など、声かけ一つでもいいので、具体的な対応を提案して伝えるようにしています。
それが「有効である」と先生が感じれば、学校でも取り入れて下さっているように思います。
・・・とはいえ、先生もお忙しいでしょうから、長文になるものや、子ども同士のトラブルなど話が複雑なものは、簡単に「最近、登校班のお友達とのトラブルで、登校をしぶっています。お手すきの時にお電話頂けると助かります」など書いて、都合のいい時に電話して頂けるようお願いしています。
(紙の連絡帳は他の子も見てしまう可能性があるので、友達トラブルやいじめ対応など、デリケートな問題の相談は直接書かずに、個別のメール・電話や封書などにしたほうがいいと思います)
逆に先生のほうからご相談を頂いた時に、咄嗟に良い対応案が出ないときは「分かりやすく家で話してみます」などひとまず伝え、後日「先日の件、紙に書いて図で説明したところ理解したようです」など、”こうすれば伝わった”方法を後から報告しています。
「具体的に」子どもの困っているポイントや対応を、その都度お伝えするように心がけていると、だんだんとやり取り自体が減ってきましたよ
きっと学校でも適宜サポートして下さっているのだと思います。クラスの中での不満なども言いませんし、最初は慣れなかったけれど、今は担任の先生を信頼している様子です。
習い事の先生もよく理解して下さって、かなりいろいろと大目に見て下さっているようですし、長男と同じ特徴のある他の高校生の生徒さんのことなど、貴重なお話を伺えたりもしました。
次男は「困っていても言えない」タイプで、幼稚園の先生には、徒歩通園なので毎日直接顔を合わせる機会があり、本人の気にしていることなどがあれば「◯◯がうまくできず、心配なようです」と、本人の気持ちを代弁するカタチで口頭で伝えています。そうすると、本人が動けないときなどに、「〇次郎くん、困っていることない?」と確認してくださったりと、とても丁寧に接して頂いています。
通学路の見守りのボランティアの方たちや、同じ登校班の上級生などには「いつもありがとうございます」「いつもありがとうね」と挨拶代わりに感謝を伝えています。
周りの人達に感謝を伝えながら、丁寧にその子への理解をお願いし続けていると、少々個性が強くても「問題児の◯太郎くん」ではなく、だんだんと、周囲の目線が温かいものに変わってきている感じがします。
【2023.10追記】
コロナ対応やGIGAスクール構想の推進などにより、連絡手段がメールや専用アプリ、連絡フォーマットなどに移行した学校も多いと思います。欠席などの連絡が手軽になり、他のお子さんに中身を見られる心配もなくなった反面、相談ごとなどは、連絡アプリやフォーマットなどでは長文が送れなかったり、教職員の業務効率化などで、電話対応時間なども限られたりと、お子さんの気になること等を気軽に相談しづらい状況もあると思いますが、担任の先生への「伝え方の基本」は同じだと思っています。複雑な相談事などは、特別支援コーディネーター・管理職の教員や、スクールカウンセラー等に間に入って頂くのもいいと思います。
関連著書:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」 大場美鈴・著(ポプラ社/2017.2)p.178- →Amazonで見る