No.038
「ルールブック」 発達障害のある子のSST
■負けず嫌いさんにルールを受け入れやすく伝える工夫
「ルールブック」は文字通り、うちの子用のオリジナルのルール集です。
負けず嫌いで、クラスでゲームの参加すらしたがらなかった長男に、ジャンケンやゲームの流れを図にして書いたり、誰にでもまける確率はある、と勝ち負けの確率を%で示したり、(この勝敗率は単純に参加数で割っただけなので、数学的に正確ではないかもしれません)
人のモノを壊した時、謝る流れをフローチャートで書いたり、「しんよう」や「かんにんブクロ」など、目に見えない感情や抽象的な概念も絵や数値化して説明したり、本人が書いた言ってはいけないワード集とか、一緒に決めたゲーム時間のルールの覚え書きとか、
まあ、いろいろです。
ポイントは本人の受け入れやすいカタチで、です。
・図やイラストを入れ、文字は箇条書き
…に加え、長男は数が好きで、合理的な思考を好むので、感情など見えないものも数値化して「心の中のしんようポイントがたまると、出来ることが増えます」など、
・「ルールを守るとトクをする」と説明する
…と、受け入れやすく分かりやすいようです。
これが(まだ書いてませんが)聴覚優位の次男ならば、
マンガやアニメのストーリーや例え話、昔話などの寓話、クラスや家で実際にあった出来事をよく覚えているので、それを例に出して、「あの時、正直なきこりはどうなったかな」など、口頭でもいいので、
・「◯◯すると◯◯の結果になる」
…と教えるとスッと入るようです。
この「ルールブック」は長男の小1プログレムまっただ中に書き始めたもので、私も最初は良い書き方ができず、ルールを守れないと「◯◯できなくなる」「人に信用されなくなる」など、脅し文句や「天罰」的な価値観も入っているので、最初のほうのページは「子どもの自己肯定感を高める」書き方にはなっていないのです。
やむを得ない場合もありますが、「脅し」を多用してしまったり、恐怖感を与えてしまうと、マジメ過ぎるお子さんは後々までその価値観を変更できずに引きずる可能性もあるし、この取組み自体がイヤになってしまいますので、なるべく「肯定語」で、「できることが増える」などポジティブな印象が持てるように導いてあげるのが良いと思います。
内容のほとんどは「うちルール」なので、他のお子さんにそのまま使うことはできませんが、ゲームの流れなど汎用性の高そうなものは、現在作り直し中で、皆さんにシェアできるといいなと思っています
関連著書:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」 大場美鈴・著(ポプラ社/2017.2)p141収録 →Amazonで見る