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執筆者の写真楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵

追加の声かけ変換表 状況判断編

更新日:11月9日


追加の声かけ変換表 状況判断編

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No.143 追加の声かけ変換表 状況判断編


声かけ変換表の追加、今回はちょっと応用の「状況判断編」です。長男の最近のつまずき原因のひとつに「状況判断が苦手」ということがあります。


周りのお子さんが空気を読みながら、状況を判断して自分で動けるようになってきているので、人の表情を読み取ったり、相手の言外の意図を汲み取ったり、記憶を臨機応変に参照しながら、その場その場で要求されていることを見極められない長男は、苦戦しているようです。

以前は「適切な指示があればできる子」だったのが、本人は同じでも、周りの変化で「指示がなければできない子」になってしまうんです。


ただ、体質的に苦手なことは仕方ないので、少しでも「周りを見る」クセづけをしながら、今までの経験を元に判断できるように、「声かけ」をシフトチェンジしました。


表にあるように、視野を広めたり、今はこういう状況である、ということや、それまでの経験を判断材料として与え、指示を出す前に自分で考えるように促す声かけです。


ただ、今までのひとつひとつ具体的な指示を出す声かけが必要でなかったわけではありません。

「経験から自然と学ぶ」が得意な、状況判断のできるお子さんは、最初から今回のような声かけだと「自分で考える力」が育つかとは思うのですが、以前は(私を含む)周りから注意や叱責ばかりされていた長男にとっては、まずは、丁寧に順を追って指示を出しながら、「できた!」という経験で自信を回復する必要がありました。


うちの子にはここがないと、いきなり「自分で考えて」と言われても、自信がなかったり、参照できる経験が少なかったりして、「分かんない!」と投げ出していた可能性が高いからです。

「あれして!これして!」も、まずは必要な階段で、それから徐々に手を離していくように一歩ずつ進んできています。


(長男の場合「指示待ち」になっているのではなく、指示がないと自分の意思で自由に振る舞ってしまう、周りに合わせられない…ということです。)


「状況判断編」は、今までの積み重ねがあっての、次のステップの声かけだと思っています。


また、「空気が読めない」人にそれを求めるよりは、言葉ではっきりと「どういう状況か」を伝えてあげる必要があります。

状況が分かり、参照できる経験や知識があれば、適切なふるまいができるんです。


長男は、体調の悪い人の顔色を見て、「体調が悪い」ということに気づくことはまだできませんが、「◯◯さんは体調が悪いみたいだよ」と言葉で伝えてあげれば、優しい行動をとることができます。

私がソファでうんうん唸っていてもその上にダイビングしてきますが、「ママは今頭が痛いんだよ」と伝えれば、枕を持ってきてくれたり、肩をもんでくれます。


「しつこい!」→「ママ、だんだんハラが立ってきたよ」の感情を伝える声かけは、とても口調が大事なのですが、感情もぶつけるのではなく客観的に実況解説する感じで、今思っていること、感じていることを、嬉しいことも不愉快なことも、正直に伝えています。


長男はつい、ハメを外して悪ふざけしてしまったり、相手にウケていると思って同じことを繰り返すことが(よく)ありますが、「私は今、こう思っているよ」ということを分かるように伝えれば、やめてくれます。


このとき、表情や声色もややオーバー気味に「迷惑そうなカオ・声」「嫌がっているカオ・声」をして見せています。そして、やめてくれたら、にっこり「ありがとう」です。


こうして状況を伝えることで、表情の読み取りが苦手だったり、興味のあることしか目に入らないために「空気が読めない」体質でも、その場に合った行動をとる練習ができます。


でもね。


最近よく思うのは、「空気が読めない」というのは、決して欠点ではなく、むしろ素晴らしい長所になる、ということです。

何かやりたいことがあって、それを続けていくためには、空気を読んで、人の顔色をうかがって、気を遣いながら、周りの出方を見ながらやっていたのでは、続けられないこと・やり遂げられないことがいっぱいあるんですよね。


実は、私も以前は随分、いろいろなことに挑戦しても、「出る杭は打たれる」なんてことが不安・負担で空気を読んでしまって、途中で挫けて中途半端に投げ出すことが多かったので、最近長男から「どうしたら空気を読まずに済むか」の秘訣を盗もうと思っているくらいです。


だから「空気が読めない」こと自体は、全く責める必要のないことだと思っています。

「行動力がある」「強いメンタリティを持っている」というスゴイ長所です! 

これがある子・方は、ぜひ、この凸凹を大事にして欲しいです。


ただ、それで周りについていけない、うまくいかないことで、本人が困っていたら、こういった声かけをしてみると、「少しだけ人に歩調を合わせる」練習になるかもしれません。

状況に応じた適切なふるまいができれば、その子本来の持つ優しさや思いやり、旺盛なサービス精神などにも気づいてもらえます。


【2023.3.28追加】


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関連著書:「発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換」

大場美鈴・著(2020.6 あさ出版)→Amazonで見る

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