【支援ツールのシェア】
No.176「追加の声かけ変換表 卒業編」
おそらく最後の「声かけ変換表」になります。 実は、声かけ変換は、単に凸凹のある子に言葉を選んで伝わりやすくする子育てのコツ、というだけではなかったんです。 私も日々の育児の積み重ねの中で気づいたことなんですが、子どもに伝わりやすいのと同時に、「声かけ変換表」は、楽々かあさんオリジナルのペアレントトレーニング・ツールだと思っています。 最初は、ちょっとでも大変な育児を効率よくしていくために、まずは言葉だけでも…というところからスタートしていますが、そのゴールは…というと、実は「声かけが必要なくなる」ところだと思っています。 つまり、親が手を離してゆけるようにするのがゴールです。 そう、声かけ変換は卒業していくものなんです。 今回の「卒業編」の変換表のBeforeには、以前の変換表のAfterの言葉が並んでいます。そしてAfterには、(これだけ見たらワケワカンナイですが。。。)接続詞のような言葉が並び、最終的には親は何も「声かけしない」で、子どもが自分で行動できる、というのが「卒業」です。 今までの「声かけ変換表」のまとめ(画像クリックで拡大)
最初の声かけ変換表の「指示・命令・禁止編」では、ひとつひとつ、具体的に、合理的に、その子の興味関心に合わせ、肯定的な言葉に変換して、丁寧に伝えて、怒られる回数を減らし、小さなできた!を積み重ねて、子どもを肯定的に見る練習をしながら、親子で自信を回復していく声かけでした。 2番目の「叱咤激励編」では、前回でちょっとでもできるようになったことが、定着するまで続けられるように、でもプレッシャーになり過ぎないように、ほめ・認め・励まして、要求ハードルを下げながら、子どものできてることに注目する練習をして、気長く隣で伴走するための声かけでした。 3番目の「状況判断編」は、定着してきたことを、今度は少しずつ、自分で考えながら、状況に合わせて応用できるように、まずは親が判断材料に気づかせ、周りを見るよう促し、目の届く範囲で見守りながら、自分から動くきっかけを与える声かけでした。 そして最後の「卒業編」は、短い言葉や視線だけで、子どもが今までの積み重ねを基に親がいない時でも自分自身で判断し、行動できるようにするのと同時に、親のほうも、子どもから離れて見守ることができるように練習する、だんだんと手を離していくための声かけです。 スモールステップで、最初は手取り足取り教えたことが、最後は全部自分でできるようにするのが、楽々かあさんの「声かけ変換表」の全貌です …とは言え、うちもまだまだ親の声かけが必要で、親離れ子離れももう少し先なワケですが、これは、全体的な子どもの成長過程だけでなく、ひとつひとつの課題に対しても、同じように言えることだと思っています。 例えば、ちょっとしたスキマ時間があると、すぐに別のことを始めてしまう長男ですが、身支度や宿題をあの手この手でつき合い、励まし、気づかせながらやってきて、今現在は「あとは?」とか「それで?」と、短い声かけをして、ようやく、少しだけ離れて見守ることができるようになりつつあります(卒業までは、まだ後一歩ですが・・・)。 丁寧な子育てが必要な親子さんは、ちょっとだけ遠回りになるかもしれませんが、なんでもこの繰り返しで、ひとつひとつ、自分でできることが、確実に増えていくのだと思っています。 そして、ひとつひとつ、お母さん・お父さんのお仕事が少しでも減っていくよう、心から願いつつ、応援しています
【2023.3.28追加】
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メルマガNo.058(2016.9.19.発行) 関連著書:「発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換」
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