No.127「怒りを表現する」 ■発達障害のある子の楽々式子どものアンガーマネジメント 楽しかった連休が明けると、うちではいつも不満がでます。 「な〜んでガッコウなんて、行かなきゃいけないんだよ!」ってワケです。
まあ、気持ちは分かります・・・
特に、新学期環境に適応しようと精一杯頑張ってきた場合、疲れや甘えたい気持ちが、この時期でるように思います。うちの子が疲れやすい時期は、他のお子さんも疲れているので、トラブルも増えます。下校中にケンカして、お怒りモードで帰ってくることもあります。 こんな時、例えどんなに本人に原因があったとしても「あんたが悪い!そんなことで怒っちゃダメ!」……とは言わないようにしています。 きもち(感情)と、ものの感じかた(感覚)は本人だけの、良いも悪いもない(例えどんなにネガティブな感情でも)生きるために必要なものだと思っています。
だから、感情と感覚は否定したり、善悪のジャッジしたりはなるべくしないように意識しています。
また、どんなにお説教しても、変わらないものだとも思います(つまり、言うだけムダ・・・「アタマ=理性」が考えている部分は、説得の余地があるんですけどね〜)
それに、子どもの頃からあまりにも、怒りや悲しみ、不安などのネガティブな感情を、ガマンして抑え込んでしまうと、成人した時いろいろ苦労してしまうようです(ココにも一人、不器用な大人がいますよ〜) でも、すぐにカッとなるとか、ずっと怒っていて気持ちの切り替えができないとか、弟妹に手が出る足が出るとかでは家族も困るし、学校でも心配になりますよね。
「怒り」を、いつ、どこで、どんな風に表現するのか、は選べます。
うちでも現在取組み中なのですが、怒りを安全に表現して外に出したり、早めに気持ちを切り替えたりする簡単な方法をご紹介しますね。 子どもにとって一番分かりやすいのは、「殴ってもいいものを殴る」という方法です。
「身体を動かして、怒りのエネルギーを燃やす」というのがよいと、後述の本ではスポーツなどをおすすめしていましたが、そういう健康的な方法ができればベストだけど、まだまだそこまでは導けないので、とりあえず、身近で安全なものをぶん殴りです。 家にあるクッションや座布団など、なんでもいいのですが、うちでは古いベビー布団をまるめてゴムチューブで縛った、簡易サンドバッグです。(以前投稿した、家庭用のスタンド式パンチボールもまだまだ健在で、こちらは子供部屋にあります) さあ、来い! 息子相手にスパーリング開始です。 サンドバッグを両手で持ったり、腕に通してはめて、パンチを受け止めます。だんだんとエネルギーの有り余るお年頃、大きくなったね。。この時、
「そっかあ、それはハラ立つよね〜!」
……と、話を肯定的に聴いてあげながら、会話しながらぶん殴ると、更にスッキリするようです。 (※親が受け止めきれないパワーをお持ちのお子さんの場合、特にお母さんがお一人で無理をなされないよう、支援団体などの外部援助などの力を借りるよう、おすすめ致します) 外出先でお怒りの場合は、手近にある上着を丸めたり、体操袋などのバッグを代用しますが、それすらなければ私の拳で受け止めます。 ある程度、パワーダウンしてきたら、目標の位置をパッパッと変えて、左右や上下に打ち込みます。(これは視野を広げて気持ちの切り替えを促すとともに、動体視力を鍛え、反射神経とボディイメージを育てる療育あそびになります。ふふふ) こちらが忙しくて気長くお相手できない場合は、100円のゴムボールをネットに入れたものを鴨居に吊るしてあるので、そちらをオススメしたりもします。 一通りスッキリできれば、気持ちの切り替えも早くなります。 最近では「太鼓叩きたい!」と言ったりするので、ゲームセンターなどで、もう少し穏便な方法にもシフトできるかも!?……と期待しています。 また、優しくて怒りを上手に表現できずにためこんでしまうタイプの次男の場合、一人で黙々コツコツと発散できる、単調な動きの運動が合っているようです。 最近野球が好きなので、古ストッキングに入れたボールをベランダからロープで吊るし、軒下で一人でいつでもバッティングできるようにしてあります。バッティングセンターも落ち着くみたいで、よく行きたがります。 うちのパパもストレス解消のために、ゴルフの打ちっぱなしやランニングなどをしているので、単調な動きの運動は、気持ちの安定にとても良いように思います。 私の場合は、イライラのエネルギーと判断力の低下を利用して、普段なかなか捨てることができない不要品の処分に有効利用できることもあります。笑 また、参考書籍として、子どものためのアンガーマネジメントの本はなかなか少ないようですが、「イラスト版子どもの認知行動療法2 だいじょうぶ 自分でできる怒りの消火法ワークブック」ドーン・ヒューブナー・著 上田勢子・訳(明石書店)という本があります。
長男が以前読んだときは、イマイチピンと来なかったようなので、高学年くらい向けかなと思いますが……。ものの見方・考え方を変えてみる、ということや、怒りの仕組みなどについて、認知行動療法の考え方に基づき、子どもにわかりやすい言葉で書かれています。 マジメに読むと結構大人にも深い内容だと思います。 怒りのデメリットについても合理的に書かれているので、なんでもかんでも怒ってしまう、と言う場合、立ち止まって考えるきっかけになれるかもしれません。 同シリーズで、「心配の追いはらい方」や「こだわり頭のほぐし方」ワークブックも出ているので、この本が分かるようになったら、次のも買ってみようと思っています。 大人も子どもも、イヤなことや、腹が立つことも、そのまま受け止めてくれる人がいたり、自分に合った対処法を身につけていけば、他人や自分自身を傷つけずに、上手に自分と付き合えるようになると思います。 私も練習中ですよ〜。 ********* ご購読ありがとうございます。 怒りや悲しみ、恐れ、不安などのネガティブな感情も、それ自体は決して「いけないもの」ではないと思います。親も同じです。子どもの行動にハラが立ってもいいし、心配したっていいと思います。 それだけ一生懸命育児をしている証拠だし、「お母さん」「お父さん」の中の人は人間ですからね。
facebook 楽々かあさんのアイデア支援ツールと楽々工夫note 2015.5.8.投稿
関連著書:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」 大場美鈴・著(ポプラ社/2017.2)p.255-収録 →Amazonで見る
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