No.129 「手順カードを持たせる」
■LDのある子が筆算を落ち着いて取り組むための補助ツール
4年生の難単元、割り算の筆算。ただでさえ、複雑な手順を踏まないとできないうえ、ちょうど長男が風邪で欠席した日に新しい単元に入ってしまったため、「全然わからない!!」と混乱して、ものすごい苦手意識ができてしまいました。
頭が真っ白で、覚えているハズの九九まで出てこなくなってしまう事態に。
以前にもご紹介した絵本
「算数の天才なのに計算ができない男の子のはなし 算数障害を知っていますか?」バーバラ・エシャム・文 マイク&カール・ゴードン・絵 品川祐香・訳(岩崎書店) →Amazonで見る
…にも描かれているように、数に対する理解力は十分あっても、九九などの丸暗記や、計算の手順の記憶がとても苦手な子がいます。
小さな頃は「数字は友達」だった長男も、すっかり算数に苦手意識ができてしまいました。
でも、これは脳の機能の凸凹の問題なので、「がんばって覚えようね!」はとてもハードルが高い作業なのです。
がんばってもがんばっても、なかなか覚えられない。
覚えたつもりでも、実際にはパッと出てこない…ということがあります。 そして、算数は積み上げ学習なので、九九でつまずけば、その先の単元でもつまずきます。
でも、大丈夫。 どうしても覚えられないことは、見ながらやればいいんです。
以前、「かな・漢字サポートカード」を作り持たせていたところ、ひらがなが出てこずパニックになる、と言ったことは減り、何度も手元で参照しているうち、今では大丈夫になりました。 「分からない時は見ればいい」という安心感があるだけでも、違いますしね((今、漢字の新作ツール「学年別漢字表」、制作中です!)
算数でも同じです。 今回の割り算の手順カードは、何度もうちの子と話しながら手書きで作ったものなので、他のお子様にはそのままシェアはできませんが、こういった方法もある、というご参考になればと思います。
最初は「なにが分からないかも分からない〜!」と言っていた長男。
例題を入れてみたら「この問題だけは分かるけど・・・」と言うので数字は色に置き換え…、「"たてる"とか意味が分からん」と言うので記号にし…、試行錯誤の結果こうなり、最終的にパウチしたカードにマッキーで、自分で視線移動の動きを描き入れました。
母の目からは一見ゴチャゴチャしておりますが、本人的にはこれでいいんだそうです。
お子さんによって、例題の有無や難易度、色の有無や好み、記号や説明文の量、等々、分かりやすい表現があるかと思いますので、お話を聞きながら作ってあげるといいかと思います。
それから、本人が分かりやすいと感じる教科書・参考書の解説部分や、学校で頂いた九九の表なども、縮刷コピーしてパウチし、穴を開けて他のカードと一緒にリングで綴じてあります。
これを持っていれば落ち着くようです(無いとパニックになるそうですが、、、。予備も作って学校に置いておくことにしました)
他のカード同様「差し支えがあれば、テストの時は預かって下さい」と先生にお願いしています。
それから、家でも学校でも、マンツーマンでサポートして頂いて、ようやく少し、わり算に自信がつき始めたようです。
このカード、お守りのように大事にしています。 「かあちゃん、これ作ってくれてありがとう」って喜んでくれましたよ。
facebook 楽々かあさんのアイデア支援ツールと楽々工夫note(2015年5月22日投稿 )_No.129
関連著書:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」 大場美鈴・著(ポプラ社/2016.1)p.198-収録 →Amazonで見る