■先生の「いいですよ」でできる合理的配慮も…
2016.4月より、通称「障害者差別解消法」が施行され、障害のある子・方は、「合理的配慮」を、学校や職場に(過度の負担にならない範囲で)堂々と求めることができるようになります。
うちでも、書字障害と不注意力の高い長男に、学校へのiPadの持ち込みなどの準備を進めているところです。
でもね。
職員会議を開いてもらわなくても、担任の先生の「あ・いいですよ」の一言でできる、ほんのちょっとの配慮は、今現在でも充分可能なんです。
■うちのちょっとした持ち込みグッズの例
うちでは過去にも、ひらがな表や九九表の携帯用学習補助カードなど、ちょこちょこクラスに持ち込ませて貰っていましたが・・・
今回の持ち込みグッズは「ムービング・トゲトゲ・クッション」と「ゴム手袋」です!
【ムーグングクッション】
実は長男(※当時小4)、授業に集中できなくなると、ムズムズしてしまい、ズボンに手を突っ込んで、股間をごそごそかいてしまうようで... 「他のお子さん達もそろそろお年頃なので・・・」 と、先生より「おうちの方からもやめるように注意して欲しい」とのこと。
そこで、手元にあった本など見せながら、「なぜいけないのか」を説明してみたのですが、「だってかゆいんだもん!気になっちゃうよ」と。 うーん、感覚的なことは理屈じゃないものね。 スボンはなるべくムレないものにするとして、 「どうしたら気にならないと思う?」と本人に聞くと、 「トゲトゲを触ってたら大丈夫かも」というので・・・ うちにあった、とうちゃんのトゲトゲ付きのムービングクッションが丁度良かったので、学校に持ち込ませてもらいました。 これを教室のイスの座面に置かせてもらうと、少し落ち着いたようです
【ゴム手袋】
もう一つ。
「掃除の時間に何もせずに、皆と一緒に掃除をやろうとしなかった」という先生からのご報告。
一見ワガママで協調性のない問題行動のように思えますが・・・
本人の話をよくよく聞いてみると、肌が敏感な長男は、
・雑巾を絞る時、水が冷たくて、刺すように痛く感じられた。死ぬかと思った。(この日は雪の降った次の日でした)
・掃除自体がイヤでさぼっていた訳ではない
・通常の水温の時や、水拭き以外の係ならできる
とのこと。そこで、一緒に「どうしたら水を触らずに雑巾を絞れるか」、ビニール袋に入れて穴を開けて絞るとか、いろいろ実験して、結局ゴム手袋が一番力を入れやすいので、100円shopで購入して、こちらも使わせてもらえるようにお願いしました。
以来、とても丁寧に雑巾で拭けている、とのこと。
はい、合理的に解決です!
■やる気の問題ではなく「何に困っているのか」に注目
「皆と一緒にできない」ことは、一見ワガママ、協調性や羞恥心がない、やる気がない、さぼっている…などと見られがちですが、本人の話を、最初から「ワガママ」と決めつけずにじっくり聞いてみて、 「何が気になっているのか(困っているのか)」 を丁寧に話を聴きながら突き止めて、問題となることを絞っていくと(例えば、「掃除の時間の何がイヤ?」→「雑巾を絞るののどこがイヤ?」→「そうかあ、冷たい水を触ると痛いんだね」のように)、結構合理的な解決策にたどり着きやすくなると思います。 ほんのちょっとの「合理的『小さな』配慮」で、皆と一緒にできる・取り組める、周りに本人が合わせられる・配慮できる…ということも、いっぱいあります。
facebook楽々かあさんのアイデア支援ツールと楽々工夫note(2016年2月5日 投稿)-No.158
関連著書:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」 大場美鈴・著(ポプラ社/2017.2)p.191- →Amazonで見る
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