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執筆者の写真楽々かあさん(大場美鈴)🇯🇵

事実と意見の線引きワーク

更新日:5月3日


SST 認知行動療法 無料ダウンロード「事実と意見の線引きワーク」

【支援ツールのシェア】「事実と意見の線引きワーク」SST 無料ダウンロード


■認知バイアスを自己補正する


久しぶりのメルマガ配信です。

視覚・聴覚の情報の受け取りが良い長男は、ちょっとしたキッカケ(見たもの、聞いたもの)で、次々と連想ゲームが始まります。

これは、アイデアが出やすい、発想力が豊か…などの長所でもあるのですが、刺激を引き金に、過去のイヤな記憶からネガティブな感情につながってしまったり、強く思い込んだり、拡大解釈をして、勘違いしやすくもなってしまいます(こういう傾向は「認知の偏り」や「認知の歪み」「認知バイアス」と呼ばれることもあります)。

これは、本人が周りから誤解されやすくなる原因にもなり、本人も何度もイヤな気持ちを繰り返し味わったり、人から責められることを恐れて行動範囲が狭まったり…と、ちょっとしんどい想いもしがちです。

大丈夫、かあちゃんもそうだったからね。

で、以前、ちょっと心配な様子があったので、主治医の先生の意見を伺ったところ、「ボタンのかけ違えのようなものだけど、ほおっておいて、広がっちゃうのは良くない」とのこと。

そこで、家で私にできそうなことを「う〜ん…」と思案し、国語学習でも出て来た「事実文と意見文を分ける」ことと、各種の参考書籍やその他のノウハウを統合して応用し、「事実と意見の線引きワーク」のシートを作ってみました。

例えば、何かトラブルになったことの原因が「相手に笑われた」「無視された」…などと子どもが訴える時、表情や状況の読み取りの苦手さゆえの本人の誤解があった場合、「◯◯さんが笑った」「呼びかけたけど、返事をしなかった」というのは、おそらく「事実」でしょう(実際には、よく確認する必要があります)。

でも、それを「(自分が)笑われた」「無視された」と感じるのは、「本人の意見」(きもち、感情、想像、考え、意味づけ、解釈、受け止め方…など)だったりします。

もし、「そんなつもりはなかった」「悪気はなかった」などと相手に言われたら、本当に言葉どおり悪意のない場合もあるし、そうでない場合もありますが、それは「相手の意見」です。

こんな風に、ものごとを「事実」と「自分の意見」と「相手の意見」に分けて、それぞれに線引きをする練習のための支援ツールです。

使い方は、大人と一緒に、本人が気になることを、ふせんやメモに小分け書き出して、シートに仕分けして眺め、どう考えたらいいかの手助けにします(詳しい方法や、解決へのヒントは、シートに印字されています)。

ワークをする際の注意点は、 ・大人と一緒にやる ・比較的小さな問題からや、本人の気持ちがやや落ち着いている時にする ・大人のほうも、気持ちや時間の余裕のある時にする

…で、少しずつお試し下さい。

なぜかと言うと、本人ひとりや、子ども同士に任せてしまうと、ますます、都合のよい解釈の方向に思い込みを強めてしまう可能性もあるので、客観的な目を持った大人の手助けが必要です。

そして、実際にうちの長男とやってみたのですが、本人にとって、それが自分の思い込みであると知るのは、例え本当のことでも、かなりショックなことになるかもしれません。

私から見たら、「明らかにそれは自分の考えだよね」と思うことでも、長男は本当にふせんを置く場所を、「どっちなの!?分からない…」と、真剣に頭を抱えて迷っていました。

大人が思っている以上に、子どもの世界での、夢と現実や、他人と自分などの、いろんな境界線は曖昧なんでしょうね。

だから、ご家庭等でお試し頂ける場合は、比較的小さな問題から始めたり、こちらも余裕があって充分なケアができるときが望ましいと思います。

(うちは、やや大きめのトラブルでやってみてしまったので、学校休んで、丸一日がかりでケアしました)

そして、本人にとっては、自分の感じたことは紛れもない真実なので、感情と感覚は否定せずに、「そうかあ、そんな風に思ったんだね」と、一旦は充分受け止めてあげた上で、「事実」を一緒に確認し、現実的な解決策や考え方に目を向けられるよう、大人の方は、手助けして支えてあげて欲しいと願っています。

できれば、トラブルが起きてからよりも、日頃から、新聞記事やコラム、文章の読解問題などで、事実文と意見文を分ける練習をして、こういった思考の習慣がついていれば望ましいですが…まあ、まだちょっと、うちの子には高度かなあ〜…

でも、実は私自身も、もやもやと気になることがあれば、頭の中でこんな風に仕分けができるようになってきてから、結構割り切れるようになり、少しラクになりました。

多少、長男には心の痛みを伴う作業にはなりますが、人から誤解されやすい行動を取り続けてしまうのも、本人にとっても辛いものなので、早めに、こまめにケアしながら、ちょっとずつ一緒に取り組んでみたいと思います。

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facebook 楽々かあさんのアイデア支援ツールと楽々工夫note(2016年12月2日 投稿)


参考書籍:「いじめない力、いじめられない力」品川裕香・著(岩崎書店)→Amazonで見る 他


関連著書:「発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換」

大場美鈴・著(2020.6 あさ出版)p.254- →Amazonで見る




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