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【支援ツールのシェア】「大人の凸凹さんのためのさりげない配慮をお願いする時の定型文」大人の発達障害向け SST無料ダウンロード
当メルマガ初の、成人の方向け支援ツールの投稿です。 お子さんがこの春就職する、既にお仕事している、という方も、FBコメントやツイート等でお見かけするようになったので… 私は、うちの子達と似たような凸凹特性がありますが、おかげさまで、最近はなんとか、本やコラムの執筆など、お仕事らしきこともさせて頂くようになりました(収入はまだまだ、安定してませんが) でね。私はアイデアがでやすい、作文とお絵かきが好き…なんていう、体質的に得意なこと・好きなことをお仕事にも活かせている反面、それと同じ数だけ、できないこと・苦手なことはやっぱりあるんです。 例えば、同時進行が苦手だったり、優先順位をつけるのが苦手だったり、数字に弱くて数を正確に数えるのが苦手だったり、あるいは、不慣れなことには不安が強かったり、ビジネス・マナーやTPOなどの一般常識が未学習・誤学習だったりもします。あ〜。 でも、ミスが多かったり、締め切りに間に合わなかったり、大事なお客様に失礼があったりすると、多くの人に迷惑をかけたり(多少であれば「お互い様」な部分もありますが…)、場合によっては、相手方に利益の損失がでてしまうこともあるので、「欠点克服」ではなく、できる工夫をして自分の苦手さとつき合いながら、努力では難しい部分は、さり気なく配慮をお願いしています。 子育てで学んだことが、自分にも応用できます。 私は、日常生活に大きな支障はない程度の凸凹なので、改まった診断等は特に必要ないと思っているのですが、それでも診断名などを使わなくても、周りの人に「自分の取り扱い方」を伝え、できる範囲で動きやすい環境にして頂くことはできます。
■自分の特性の伝え方のコツ
私が、お仕事上配慮をお願いする時に、比較的良く使うフレーズを、定型文のカードにまとめてみました。
ここでのポイントは、
・まずは、自分でできるところまで、やってみる
・苦手なことと、その対応を「具体的に、行動で」丁寧なお願い口調で伝える
・分からなければ、素直に聞く
・ちょっとでもやってくれたら、感謝を伝える
…です。特に、「自分はこういうことが苦手です」と伝える時には、性格的な表現(ワガママ、短気、内向的など)は避けたほうが無難です。相手によっては「自分だってそういうとこ多少あるけど、ガマンしてるのに…」等と感じる方もいるかもしれませんから。
「具体的に」「行動で」伝えることで、お互いに動きやすくなると思います。
そして、自分でできることはまずやってみた上でお願いし、相手の都合や気持ちに対して、こちらもフォローし、配慮する姿勢を見せると、助けてもらうばかりではなく、対等な協力関係が築けるように思います。これらを踏まえた上での私自身の…
【伝え方の実例】
「私は行数を正確に数えるのが苦手なので、念のため、再度ご確認頂けると助かります」
「お手数ですが、今月中までにやることを、優先順位をつけてご指示頂けますでしょうか」
「私はおもてなしに関しては非常識なほうなので、お気づきの点があれば、遠慮なく言って下さいね」 …こんな感じで、自分の苦手さとセットで、それに対する対応法をさらっとお願いしながら、なんとか本を完成させたり、お仕事上のおつき合いをギリギリ無難にこなしたりしています。 ただ、実際にこういったフレーズがポンポンと自然に出てくるようになるまでには、私自身いくつかのステップを踏む必要がありました。 1.自信回復(自分を肯定する声かけ、できて当たり前のように思える日々のがんばりを認める、できないことよりできてるところを見るクセをつける、など)
2.自己理解(自分の個性・特性を知る、苦手さへの工夫や対応方法を把握する、など)
3.自己受容(自分の長所も短所も受け容れる、できないこともある自分でもいいと思える、など) こういった経過を、子育てと同時進行で自分育てをしながら辿ってきて、やっと苦手さや欠点を直視した上で、そんな自分でもいいやと思えるようになって初めて、他人に頭を下げながらお願いし、感謝も伝えられるようになりました。 これから、お仕事をする、若い「大人の凸凹さん」。 ちょっとくらい、凸凹があっても大丈夫。 ゆっくりでいいから、まずは、自分自身とよく相談しながら、凸も凹も、大事にしてあげて下さいね。
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