■面接練習を始める前に…
うちの3兄妹の中学受験の第一志望校(A中学)では、総合型選抜で面接試験がありました。
そのため、まず出願書類を揃え、面接の練習を大体12月くらいから始め、年明けに出願、1月後半に総合型選抜試験→一般受験(A入試/B入試)という流れでした。
凸凹さんの面接対策は、何かと作戦会議が必要なことが多いので、うちでは面接練習する期間を各自一ヶ月程度で見積もりました。そのための準備も早め早めが大事だと思います!
■中学受験生の志望理由書作成のポイント
面接練習を始める前に、志望理由書などの出願書類を先に作成しておくと効率よくなります。
なぜかというと、出願書類に書いてある情報を元に面接で質問されることも多いからです(受験校の先生にしてみれば、出願書類はネタ帳みたいなものだと思います)。
なので、出願書類には、まず大前提として…
・突っ込まれて困るようなことは書かない!
…ってのが大事です。例えば、【趣味・特技】などの欄に、ちょっとやってみただけだったり、多少興味ある程度のことなどを盛って書くと、詳しく聞かれたら自分の首が締まるので、胸張って「趣味・特技です!なんでも聞いて」と堂々と言えることだけ書くべし。嘘がつけない正直者は特に!
(出願書類に成績表のコピーなども必要で、出席日数や評価などについての質問が不安な場合については、後日執筆予定の、面接練習についてのBlog記事で詳しくお伝えできればと思います)
そして、志望理由書には募集要項を熟読した上で、「どれだけその学校に入りたいか」「入学したらこんなことがしたい」などの熱意が伝わる文章をまとめればいいのですが……作文苦手な子にはハードル高いですよね。
そんな時は、以前の「読書感想文を出す」の応用編。
親が子どもにメモを取りながらインタビューし、大きめのふせんに書き出して並べ、取捨選択しながら考えをまとめ、それが伝わるように一緒に構成を練ればなんとか形になります。
うちの子たちへのインタビューの質問例は…
どうしてA中学に行きたいの?
特にどこが気に入ったん?
興味がある部活とか、やってみたい活動とかある?
見学会や体験授業に参加して、どう思った?
…なんてことを聞きながら、いい答えが返ってきた時には「へえ、なんでそう思ったの?」「具体的にはどういうこと?」「例えば?」…と深掘りしていくと、結構いい感じの言葉が引き出せました。
あと、以前にも書きましたが、体験授業や文化祭などに参加した時の具体的なエピソードを入れ込むと好印象だと思います。
ただし、いろいろと詰め込みすぎても散漫になってしまうので、「特に伝えたいこと」を断腸の思いで2つくらいに絞って、要点をわかりやすくまとめるといいでしょう(志望理由書の文章量にもよりますが…)。そして、まずはPC/タブレット等のワープロで文章を入力(詳細は後述)。
ご参考までに、うちの子達の志望理由書のおおまかな文章構成の基本例は…
<導入部>
私は、(こういう理由で)A中学校に興味を持ちました。
<具体例1>
そこで、(体験授業など)に参加しました。その時、(具体的エピソード)だったので、(この学校で学びたい、校風が自分に合っている…など)と思いました。
<具体例2>
また、私は〇〇が好きなので、もし貴校に入学したら(部活や活動など)を(文化祭などでの体験を元に)(具体的にこんな風に)やってみたいです。
<まとめ>
そして、将来は(こんな人に)なりたいです。そのために、(校風や校訓など)な人材を育てる貴校で学んで成長したいです。
…という感じでした(実際には、子どもそれぞれで、伝えたい内容によって文章量の増減や構成の入れ替えなどもありました。うちの例を参考にする場合も、臨機応変に!)。
ワープロ打ちの時点で、一旦仮にプリントアウトしたものを、パパや信頼できる塾・学校の先生などに見てもらって文章を赤字チェックしてもらうのもいいと思います。
もし、身近に文章を見てもらう人がいなければ、ChatGPTってテも。ただし、文章そのものを全て生成してもらうのではなく、「以下の文章を校正して」と、誤字脱字の校正や重複表現がないか、などのチェックをしてもらったり、「感想を聞かせて」などで、伝えたいことが伝わっているか、などをお願いするといいでしょう。
そして、文章の内容が固まったら、あとは、本来これを本番用紙に書けばいいだけなのですが…
■LD/書字障害のある子の「紙と手書き指定」の壁
はい〜、大問題発生です。
それは、募集要項に記載された「本校の指定用紙にボールペンで自筆のこと ※ワープロ不可」などの、書類提出上の注釈!(中学受験の総合型選抜の提出書類はこうなっている学校も多いと思います。大学受験等では「指定用紙にワープロ打ち可」なことも)
LDがある子、字を書くのが苦手な子には、更なるハードル「紙と手書き指定」です。
うちの子達は字を書くこと自体はできるものの、文章などで沢山書くことに負担が大きい上に、漢字の間違い、文字の大きさがスペースに収まらない、拗音などの小さな文字や句読点のミスなどが…。(※私立学校での合理的配慮について)
A中学でも、入手した出願書類一式の中に、指定形式の枠線などが印刷された、立派なケント紙の志望理由書用紙が入っていました…(一般受験では全てネットで出願できます)。
【LD/字を書くのが苦手な子の、紙と手書き指定の書類作成のコツ】
そこで、うちでは指定用紙にボールペンで書く前に…
指定形式の書類をスキャン→PDF化してPCで読み込み、ワープロ打ちした文書を作成
それを子どもが本番用紙に鉛筆で書き写して下書き
ボールペンなどで、極力丁寧に自筆で清書
…という、3ステップで対応しました。
1.の指定用紙・指定形式の書類にワープロ打ちする方法は、私はMac派なので基本ワープロソフトのPageの書類の背景にPDFスキャンした画像を取り込みで貼り付け(余白なし、テキスト折り返しなし)、テキストのフォントの大きさや行間隔、文字間隔などをスペースに合うように調整してできました。その他の作業環境・作成方法では、こちらのサイトなどが参考になると思います。
文章を入力するときは、子どもを隣に座らせて、内容や漢字をチェックしてもらいながら一緒に進めました(自分でワープロ入力できる子は、テキストだけ先に用意してもらうのもGood!)。
LD傾向がある子は、フォントを読みやすい教科書体か、細めのゴシック体か、UDフォント使用で、やや大きめに、行間はキモチ広めに設定するといいと思います。
※指定用紙にワープロ可の場合は、取り込んだ背景を非表示にして、本番用紙をキッチリ合わせて印刷すればOK(必ず試し刷りもすること!)。
こうすると、漢字や送り仮名のミスも減らせ、スペースに合った文字配分でできます。句読点や改行は一回文章を打った後で、子どもが自分で音読してみて調節するといいでしょう。
あとは、これを見ながら指定用紙に鉛筆で書き写して下書きし(必要に応じて、親が薄く鉛筆でマス目の補助線などを入れてあげるのもいいと思います)、自筆で清書すればいいのですが、これが相当緊張するようで、一度に一気に進めずに数日に分けて取り組みました。
「万が一、本番用紙にボールペンで清書した時に字を間違ってしまった場合」については、私はA中学の入試対策講座などで直接確認しておきました。A中学では「ミスは極力ないほうがいいが、修正液も使用可能」とのことですが、学校ごとにルールがあるので直接志望校にご確認下さい。
それでも不安がある場合は、用紙の予備をもらっておくのもいいと思います。
あ!本番用紙に書く前に、机・テーブルはよ〜く拭いて下さいね。
一見きれいに見えても、うっかりポテチの油分が紙についちゃうといけないから…。
それから、うちと同じように「うちの子、字が下手なんです」と気にされるご家庭もあると思いますが、A中学の先生は「たとえ下手でも、相手が読むことを考えて、丁寧に書いてある字は分かります。読めさえすれば、字が下手だからと減点されることはありません」と仰っていました。
私自身、著述業を続けている経験からも言えますが、どんな文章でも「伝えたいことを、相手に伝わるように書く」というのが肝心要であり、最後のひと押しは”気持ち”だと思っています。
本当に行きたい学校に、お子さんの気持ちがまっすぐ伝わりますように。
(※ 私立学校での合理的配慮について)
2024.4.1より、改正障害者差別解消法が施行され、私立学校においても合理的配慮の提供は努力義務から法的義務へと変わります。(参考:内閣府|障害者差別解消法に基づく基本方針の改定)
これにより、私立中学で書字に困難さのあるお子さんが、どの程度からどのように対応して頂けるのかまでは現時点ではわかりませんが、もし、LDなどの診断があり、字を書くことに大きな支障・困難さがあるお子さんが中学受験を予定している場合には、事前に受験校の説明会や相談会などで、受験時や入学後の学習について、早めに(できれば4-5年生のうちから)合理的配慮の相談などをされるといいでしょう。